2003.03.14
時計をなくして

時計をなくして
私たちは 歩き続けた
針のような風が吹きすさぶ 砂浜を
お互いの小指を絡めながら

私たちは 歩き続けた
どこまでも どこまでも
この世界が 闇にくるまれるまで

別れの時のまぶしさに 目が眩むまで
一緒にいたくて
寄り添っていた私たち

時計をなくして
私たちは 歩き続けた

手に入れた 最後のひとときに
一緒に痛くて
ふるえていた私たち