おまえをなくしてから 毎日
おまえの肖像画を描き続けた
笑い顔 泣き顔 ふくれっ面
美しい裸身 すべらかな背中
そのすべてを慈しむように
同じ絵を2枚ずつ描き
あの美しさを誰かに伝えるため
1枚を画廊で売り
もう1枚を この部屋に飾った
もうじき 部屋の壁は
おまえの姿で満たされる
おまえをなくしてから 毎日
おまえの肖像画を描き続けた<
やさしく愛撫するように
最後の一筆をカンバスに入れるとき
シルクのような あの声が聴こえる気がする
それを味わいたくて
何枚も何枚も 俺は描き続けた
彼の地で いつの日か また
おまえに会えるのか?
ふたり 過ごした この部屋で
俺は 幾度も尋ねる
カンバスの中のおまえの笑顔に